NHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争〜」(2007年NHK)
原作「総員玉砕せよ!」は読んでないんですが同様の自伝的作品「昭和史」などは読んでいたので、水木さんがこの絶望的『玉砕命令』状況から奇跡の生還を果たす下りは知ってましたが、それでもやはり衝撃的な内容のドラマでしたね。
戦争の愚かさや悲惨さ、原作との相違点、丸山二等兵(水木しげる)役の香川さんの静かなる怪演技については他の方のブログにお任せするとしてここでは別視点で。
びっくりしたのは劇中、水木を心配するあまり漫画原稿から飛び出して会話を始める鬼太郎(野沢雅子)、目玉おやじ(田の中勇)、ねずみ男(大塚周夫)がアニメ版第一期のオリジナル声優トリオだったこと。
放映元(フジテレビ)でもないNHKがここまである意味凝ったキャスティングを配した理由は水木が戦後売れっ子漫画家になった時代、昭和四十年代の背景をよりリアルに表現したかった演出意図の一つだと思われますがそれにしてもやるやる。。
BS2まるごとガンダムでも取り上げましたが最近のNHK制作スタッフによるオタクのツボ押さえは徹底しており清々しい程ですね(笑)。
反戦ドラマとして観るだけでも非常に良く出来ていて圧巻なんだけど、水木ファンおよび第一期アニメ版鬼太郎世代にも細かく配慮を施した秀作です。
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NHKスペシャル「鬼太郎が見た玉砕〜水木しげるの戦争〜」
http://www.nhk.or.jp/nagoya/kitaro/